Tちゃんの悲劇

Tちゃんは、自分のことを「僕」という女の子だ。

Tちゃんは、3つも裁判を抱えていた。
そのうち一つが、解決したらしい。
まずは……お疲れ様。
……頑張ったね。
　

彼女は、母子家庭の家族を支えるために若いのに働いている。
今も一生懸命働いている。
最近、離婚を成立させたからだ。

どうしようもない母親と、さらにどうしようもない元父親。

もともと義理の父親は……
彼女を10を超えてすぐくらいから、犯していた。
母親は、気が付いていたが……無視していた。
男が、犯すたびに一万円をくれていたから。
貧しい家庭で、夫が権力をもっていた。
母親は無視を通して、自分を守っていたらしい。

離婚の裁判、家庭内暴力の裁判をなんとか起こしてから……
Tちゃんはその事実を知った。
それでも戦い続けるTちゃんの、戦いの道は険しかった。
　

事実を否認しつづける男
「そいつは、喜んでいました。金目当てでした」
とTちゃんのことを言った。

なんで？僕は、怖くて……言えなかっただけなのに。
もっと、早くいうべきだったのに……戦いはじめたことを後悔しそうだ。
　

いきなり頭を下げて和解を望む男

本当に謝るつもりかもしれないから、僕は聞いたよ？
「本当に悪かったと思っている。
そちらの言う金額に200万円慰謝料を上乗せしよう」
　

それを……金を貰えて喜んでいる母親


そして、最後まで傷ばかりつける男
「喜んでたくせによ……まあ、それだけのことをヤッたから仕方ねーか」
そう言って下品に笑ったという。
　

僕、もうすぐ元気になるからね？
だから今は僕のこと頑張ったって言ってよね？

500万円が……僕の値段なんだって……思っちゃったんだ。
苦しみつづけた、穢れた10年間の値段なんだ……

　
神さま、もしもいるなら……
Tちゃんのこの上等な魂に、幸せをあげて下さい。
その男のゲスな笑顔を、この世界から消して下さい。