背に腹はかえられない

大学で嫌いな男が唯一一人いる。

親友になれるかとも思ったが、勝手に俺が惚れているかと勘違いして、俺の友情を茶番劇にしてくれた、不器用な勘違い馬鹿。
告白されてないのに振るなんて芸当をしてくれて、俺としては惚れてもないのに振られる素敵な体験ができちゃった、その相手。

純粋で、頑張り屋で、罪の意識も抜群で、優しくて、プライド高くて、半分許しているけど、やっぱりあいつを見るとムカムカしてくる。
イイヒトの典型みたいな奴、傷つけるのを恐れている、人一倍怖がりな人間。

俺は、あいつを傷つけるのは面倒だ。
俺は、あいつを癒すのが面倒だ。
時間をかければ、もう一度友人にもなれるかもしれないけれど、もうウンザリだ。

……そう、思っていた。
いや、今も思っているんだけど。

ちょっと、個人的な事情と関係ない部分で話さないといけなくなった。
面倒だけど、頑張るかぁ。
これを期に友情復活したら、大学生活の汚点挽回かぁ？
なんて、プラス思考にするべきでしょうか？